偉大なヴィオラ奏者でありソリストであるウィリアム・プリムローズは、2014年に生誕110年を迎えます。そして真の意味で、ヴィオラ奏者として最初のソリストと言えるのはライオネル・ターティスです。今日に至るまで、彼ら2人は、ヴィオラ奏者の中でもっともユニークであり、卓越した最高の存在です。彼らが活躍していた時代、彼らは様々な編曲を自ら行い、エルガー、ウォルトン、ブリテンをはじめとする多くの作曲家が刺激を受け、ヴィオラのための作品を作曲し、美しい名曲を遺しました。
今回のヴィオラスペースは、クラシック音楽界の中でも最も豊かでバラエティに富んだ作品を生み出した国のひとつであるイギリスを讃え、イギリスのヴィオラ音楽を特集したいと思います。
★「ぶらあぼ2014年2月号」36頁、「ぷれすてーじ」にアントワン・タメスティのインタビュー記事が掲載となりました。ぜひご覧下さい。eぶらあぼ
Lionel Tertis
1876年12月29日~1975年2月22日
ロンドンのイーストエンドに生まれる。それまで独奏楽器としてはほとんど注目されていなかったヴィオラの魅力を世間に知らせることに貢献した第一人者である。ライプツィヒ音楽院とロンドン王立音楽院でヴァイオリンを学ぶ。ロンドン王立音楽院在学中に組んだクァルテットでヴィオラを担当したのを機に転向。ヴィオラを独学で学ぶ。同時代に活躍したプリムローズや、ヒンデミットがおり、イザイともたびたび演奏を共にしている。また、世界的チェロ奏者であるパブロ・カザルスとは楽器を独奏楽器として確立させるまでの献身や、また誕生日が同日ということもあり「双子」のごとくたとえられる。1980年、彼の功績を讃えて「ライオネル・ターティス国際ヴィオラコンクール」が設立された。
William Primrose
1904年8月23日~1982年5月1日
スコットランドのグラスゴーに生まれる。ヴァイオリン奏者の父のもと4歳よりヴァイオリンを始める。1919年に家族でロンドンへ移り住み、ギルドホール音楽演劇学校にて学び1924年に首席で卒業。その後、ブリュッセルに渡り、イザイに師事。彼の勧めによりヴィオラに転向する。1937年、トスカニーニの指揮のもと
NBC交響楽団に参加。独奏者としてオーケストラと共演。アメリカ全土やヨーロッパでソリストとして活躍の場を広げた。バルトークに依頼したヴィオラ協奏曲を1949年に世界初演、以後多くのヴィオラ奏者によって弾き継がれている。インディアナ大学をはじめ、日本では東京藝術大学や桐朋学園等で後進の指導にあたる。1979年に「ウィリアム・プリムローズ国際ヴィオラコンクール」が設立された。
受講生募集!
[東京]5月24日(土)・25日(日)13時 上野学園 石橋メモリアルホール
[大阪]5月22日(木)13時 相愛大学・南港ホール
講師:今井信子(✳)、アントワン・タメスティ(✳)、百武由紀、
佐々木 亮、篠﨑友美、鈴木 学、鈴木康浩、ウェンティン・カン、
牧野葵美(✳)、大槻晃士
(✳)大阪も担当
応募用紙をダウンロードの上お申し込み下さい。締切:2014年2月28日(金)
東京応募要項:Word/PDF
大阪応募要項:Word/PDF
★応募は締め切っております。たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
<入賞者>
第1位:ウエンティン・カン(中国)
第2位:バーバラ・ブントロック(ドイツ)
第3位: 牧野葵美(日本)
<特別賞受賞者>
第4位: アドリエン・ボワソー(フランス)聴衆賞/邦人作品演奏賞
第5位:エレヌ・クレモント(フランス)
第6位アンドレア・ブルガー(スイス)邦人作品演奏賞 →詳細
世界発売:BIS〔BIS-CD-1379/1380〕 国内盤:キングインターナショナル〔KDC-5001/2〕
特別協賛:NTTリース 協賛:オムロン/日本テトラパック/モーストリー・クラシック
協力:カザルスホール 製作:BIS/テレビマンユニオン
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